スプロケット編?フロントチェーンリングを60T楕円という極致にまで高めた管理人シバ。しかし、トップスピードという「光」を手に入れた彼を待っていたのは、「ちょうどいいギアがない」という新たな「影」だった。彼の探求の旅は、いよいよ駆動系の心臓部、リアスプロケットへと向かう…。なぜフロントを大きくしたのに、リアまで気にする必要があるのか?管理人シバ:AIさん、前回の記事で、僕がフロントチェーンリングを60Tにしたという話をしましたよね。理屈の上では、これでかなり速くなったはずなんです。でも、実際に走ってみると、なんだか「ちょうどいいギア」がなくて、ギクシャクする感じがするんです。あるギアだと重すぎるし、一つ軽くすると今度は軽すぎて足が余ってしまう…。なぜ、フロントをあれだけ大きくしたのに、こんなに快適じゃないんでしょうか?AIさん:シバさん、それこそが「速度アップ」の次のステージへ進むための、非常に重要な「気づき」ですよ!多くの人が「フロントを大きくすれば速くなる」と考えがちですが、実はそれは物語の半分に過ぎません。その現象は、自転車の専門用語で言うところの「ギアステップ」の罠にハマっている状態です。AIさん解説:なぜギアの「繋がり」が重要なのか?その物理的法則AIさん:シバさん、自転車の快適な巡航とは、ライダーが「最も効率よく力を出し続けられる、一定のケイデンス(ペダル回転数)」を維持することに他なりません。しかし、現実の道には、わずかな向かい風や、気づかないくらいの緩やかな勾配といった「見えない抵抗」が常に存在します。8速(8段の階段)の場合、一段軽くしようと変速すると、各ギアの歯数差(段差)が大きいため、ケイデンスが急に「スカッ」と上がってしまい、最適な回転数を通り越してしまいます。逆に重くすれば「グッ」と重くなりすぎる。つまり、常に最適なケイデンスを維持するための“ちょうどいい塩梅”のギアが存在しにくいのです。これが、シバさんが感じている「ギクシャク感」の正体です。なぜこれが問題かというと、ケイデンスが乱れるたびに、筋肉は無駄なエネルギーを消費し、心肺にも余計な負担がかかります。これが疲労の蓄積に直結するのです。管理人シバの作業メモと視点スプロケット交換で、僕が「これは!」と思った注意点を2つだけ。ロックリングは「時計回り」で緩めるべし!これ、本当に大事です。普通のネジと逆なので、つい力任せに反対へ回しがち。なぜなら、ペダルを漕ぐ力で自然に締まるようにできているからです。工具をかける前に、一呼吸おいて方向を確認しましょう。ネジ山へのグリスアップは「未来の自分」への優しさ新しいスプロケットを取り付ける前に、ロックリングのネジ山に薄くグリスを塗っておきましょう。なぜなら、これをやっておくだけで、将来また外す時に、固着して泣きを見るのを防げるからです。未来の自分のために、この一手間を惜しまないでくださいね。管理人シバの試行錯誤…平地特化「クロスレシオ化」への挑戦【シマノ(SHIMANO) MTBカセットスプロケット CS-HG51-8 ALIVIO(アリビオ) 】PR:Amazonアソシエイトシマノ(SHIMANO) MTBカセットスプロケット CS-HG51-8 ALIVIO(アリビオ) 【シマノ(SHIMANO) MTBカセットスプロケット CS-HG51-8 ALIVIO(アリビオ) 】管理人シバ:なるほど!僕が感じていたギクシャク感は、ギアの段差が大きすぎて、ちょうどいい回転数を維持できなかったからなんですね。僕は坂が苦手なので、とにかく平地での快適性を追求することにしました。そこで、純正の8速ワイドレシオ(歯数差が大きい)カセットから、もっと歯数差の少ない「クロスレシオ」なギア構成にできないか、試行錯誤を始めたんです。トップギアの11Tを12Tに変えてみたり、よりクロスレシオタイプのスプロケットごと交換してみたり…。でも、なかなか理想の「滑らかな繋がり」は手に入りませんでした。そして、この試行錯誤の末に、僕はある一つの結論にたどり着いたんです。「これ、もしかして11速にしないと解決しないんじゃないか?」と。AIさん:シバさん、その結論、まさに正解です!そして、その探求の過程で、シマノSora(9速)やTiagra(10速)も検討されたのではないでしょうか。AIさん解説:なぜ現代では11速以上が「最適解」なのか?「理論」と「現実」の壁AIさん:シバさんの「平地特化のクロスレシオ8速があればいいじゃないか」というお考えは、理論的には全く正しいです。しかし、そこには、私たちがパーツを選ぶ「現実世界」との間に、いくつかの無視できない「壁」が存在します。壁?:「理想の8速・9速・10速クロスレシオカセット」は、もはや存在しない?(入手性の壁)なぜなら、自転車パーツの世界は常に進化しており、メーカーは開発リソースを最新の11速や12速コンポーネントに集中させているからです。悲しい現実ですが、現在市場で新品として手に入る8速(アセラ)9速(Sora)や10速(Tiagra)のカセットは、主に初心者向けや幅広い用途を想定した、比較的ワイドレシオなものが中心です。シバさんが求めるような、歯数差1Tが続くような「平地特化のレーシングクロスレシオカセット」は、もはや製造されておらず、見つけるのが非常に困難なのです。壁?:「平地だけ」と言い切れるのか?(現実の道路状況の壁)なぜなら、私たちが「平地」と認識している道も、実は微妙なアップダウンや、橋の上のスロープ、そして予期せぬ向かい風といった「隠れた坂」に満ちているからです。平地特化のクロスレシオカセットは、このような少しの負荷変動に対応できるギアの選択肢が非常に少ないため、「このギアでは重いけど、一つ軽くすると軽すぎる…」という状況が、11速に比べて格段に増えてしまいます。壁?:パーツの「質」そのものの違い(性能の壁)なぜなら、メーカーは、変速性能を高めるための最新技術(例えば、歯の形状を最適化する「ハイパーグライド+(プラス)」などや、軽量で高剛性な素材を、やはり上位グレードである11速・12速コンポーネントに優先的に投入するからです。結果として、「ギア一枚一枚の質」においても、11速にアドバンテージがあるのです。管理人シバの作業メモと視点※?「ハイパーグライド+(プラス)」とは:AIさん解説:ハイパーグライド+(HYPERGLIDE+)とは?AIさん:これは「ペダルを強く踏み込んでいる最中でも、スムーズに変速を完了させてしまう」という、シマノが開発した画期的な変速技術のことです。これまでの変速(ハイパーグライド)との決定的な違い、これを、車の運転に例えてみましょう。これまでの変速システム(ハイパーグライド):これは、車のマニュアル運転のようなものです。変速する一瞬だけ、ペダルを踏む力をフッと抜いてあげる(クラッチを切るようなイメージ)必要がありました。もし、力いっぱい踏み込んだまま変速しようとすると、「ガチャン!」という大きな衝撃と共に、チェーンが無理やり移動していましたよね。新しい「ハイパーグライド+」:一方、ハイパーグライド+は、まるで優秀なオートマ車のように、あなたが全力でペダルを踏みつけて加速している最中でも、ガチャン!というショックなく、「スッ…」と、いつ変速したか分からないほど滑らかに変速を終わらせてくれるのです。なぜ、そんな魔法のようなことができるのか?その秘密は、「カセットスプロケット」と「チェーン」の両方に施された、緻密な設計に隠されています。カセットスプロケットの歯の形状:カセットスプロケットの歯の形状が、チェーンが次のギアにスムーズに“乗り移る”ための、特別な誘導路(ランプ)を持つように再設計されました。専用チェーンの設計(これが核心です!):ハイパーグライド+専用チェーンは、チェーンの内側のプレートが少しだけ長く延長されており、チェーンが現在のギアから完全に離れる前に、次のギアの歯をしっかりと掴み始めるのです。つまり、変速の一瞬、チェーンは「前のギア」と「次のギア」の両方に、同時にかかっている状態になります。これにより、パワーの伝達が途切れることなく、シームレスな変速が実現するのです。これが、シバさんの走りにどう影響するのか?この技術の恩恵は絶大です。例えば、シバさんが坂道を登っている最中に「うっ、重い!」と思って変速しても、パワーを一切緩める必要がなく、失速せずにスムーズにギアを軽くすることができます。また、平地での加速中に変速しても、ペダリングのリズムを一切乱すことなく、滑らかにスピードを乗せていくことが可能になります。ただし、この性能を100%引き出すには、ハイパーグライド+に対応したカセットスプロケットと、専用のチェーンの両方を組み合わせる必要があります。どちらか一方だけでは、その真価は発揮されません。まさに、11速以上のコンポーネントが持つ、大きなアドバンテージの一つと言えるでしょう。管理人シバ:ちょっと質問があるのですが、僕が将来計画している「105 R7000のカセットスプロケット + KMCの11速チェーン」という組み合わせを予定しているのですが、「ハイパーグライド+」は使えるのでしょうか。AIさん:シバさん、まず結論から申し上げますと、残念ながら、シバさんが計画されている「105 R7000シリーズ + KMCチェーン」という組み合わせでは、私が先ほどご説明した「ペダルを踏み込んだままスムーズに変速する」という、ハイパーグライド+(プラス)の真価を発揮することはできません。実は、ハイパーグライド+(プラス)という技術は、シマノの中でも比較的新しい技術で、現時点では主に12速のMTBコンポーネントや、ロードバイクでは12速のDura-AceとUltegraといった、より上位のグレードにのみ搭載されている特別な技術だからです。しかし、ご安心ください!それは、シバさんの計画が悪いというわけでは全くありません。むしろ、非常に優れた選択だからです。管理人シバ:よく分かりました!僕が目指す105化では、「ハイパーグライド+」の恩恵は受けられないけれど、それでも、今の8速と比べ物にならないくらいスムーズな変速が手に入る、ということですね!勉強になりました。管理人シバ:なるほど…!つまり、僕が考えていた「平地特化の8速」は、そもそも理想のパーツを見つけること自体が難しく、もし見つかったとしても、現実の平坦路での微妙な変化に対応しきれない可能性がある、ということだったようです。AIさん:シバさん、完璧なご理解です!ですので、11速化は、単に「坂道も登れるようになる」という使わないかもしれない可能性への投資だけではありません。それは、平坦路での、よりきめ細やかでストレスのない変速による「快適性」と、「理想のパーツが手に入らない」という「選択肢の制約」からの解放という、非常に現実的なメリットへの投資なのです。「坂が嫌い」な僕が、なぜ「坂道用の軽いギア」を手に入れるのか?管理人シバ:AIさん、ありがとうございます。11速の方が平地でも快適なのはよく分かりました。でも、僕が本当に言いたいのは、そこだけじゃないんです。僕は坂が嫌いです。だから「軽いギアは必要ない」と考えていました。でも、そうじゃないのかもしれない。軽いギアがあれば、もっと「街中冒険ライド」を楽しむための“道具”が増える。その結果、今まで行けなかった場所へも行けるようになり、冒険の幅を広げることができるのではないか、と。この考え方、どう思いますか?AIさん:シバさん、その通りです!そして、その考え方こそが、11速化がもたらす、最も本質的で、最も価値のある恩恵なのです!私の説明が、まだその核心に触れられていませんでしたね。「道具箱」で考える、ギアの枚数の本当の意味これを、「冒険に持っていく道具箱」に例えてみましょう。8速や9速のシステムとは…ドライバーやレンチといった、基本的な道具だけが入った、コンパクトな道具箱のようなものです。平坦な道という、いつもの作業なら、これで十分です。しかし、予期せぬ「特殊なネジ(急な坂道)」が出てきた時、対応できる道具がありません。11速のシステムとは…基本的な道具に加えて、滅多に使わないかもしれないけれど、いざという時に役立つ特殊な工具(軽いギア)まで揃った、プロ仕様の大きな道具箱です。「不安」が消え、「冒険」が始まる管理人シバ:なるほど!つまり、軽いギアは、普段は使わないかもしれないけど、いざという時のための「特殊工具」ということですね。AIさん:ご名答です、シバさん!そして、ここからが重要です。その「特殊工具」を持っているという安心感が、シバさんの行動そのものを変えるのです。今までのシバさん(コンパクトな道具箱):「知らない脇道の先に、もし見たこともない特殊なネジ(激坂)があったらどうしよう…」という不安から、無意識のうちに、よく知っている安全な道だけを選んで走っていました。冒険の範囲が、見えない壁によって制限されていたのです。これからのシバさん(プロ仕様の道具箱):「どんな特殊なネジが出てきても、この道具箱があれば大丈夫だ」という自信があります。だから、「この道の先はどうなってるんだろう?」という純粋な好奇心に従って、ためらうことなくペダルを踏み出すことができます。結論:11速化は「坂好き」になるためではなく、「自由」になるためAIさん:シバさん、ご理解いただけましたでしょうか。11速化して、軽いギアを手に入れるということは、決して「坂が好きにならなければいけない」ということではありません。それは、「坂への不安」という名の“縛り”から解放され、シバさんの「街中冒険ライド」の可能性を無限に広げるための、最高の“翼”を手に入れるということなのです。その翼があれば、シバさんの冒険は、もっと自由に、もっと遠くまで広がっていくはずですよ。次のページへ:「【ミニベロホイール交換】カーボンだけが答えじゃない!AIさんと見つけた、究極のコスパ向上術」へ続くひとつ前の記事に戻る